『すべてはひとつの「
波打つ水の波紋。自転車で走っていく後ろ姿。大阪・大正区。ここは沖縄からの移住者が多く住む街だ。足の踏み場もないくらい散らかった部屋で父と暮らす監督・小谷忠典の日常とその目に映ったものが綴られていく。酒に溺れる父と、血のつながりのない恋人の子どもとの日々の暮らしの中に、言葉にならない苛立ちが積み重なる。あいまいな苛立ちを抱えたまま小谷が向った先は、自らが住む街と深く結ばれる沖縄。そこで目にしたコザの娼婦たちの顔、体そして裸体。誰も見ることのない、彼女たちの体に刻まれた「傷と言葉」が一本の